楽天証券の「かぶミニ」とは?

楽天証券のかぶミニとは? 証券会社
楽天証券のかぶミニとは?

2023年3月1日、楽天証券株式会社は、2023年4月を目途に国内株式の単元未満株取引サービス「かぶミニ」を開始することを発表しました。

楽天証券「楽天証券、国内株式単元未満株取引サービス「かぶミニ™」を開始」

楽天証券のかぶミニとは?(単元未満株とは?)

楽天証券のかぶミニとは、単元未満株取引サービスです。単元未満株取引サービスなら、通常は100株単位で取引するところ、1株単位で取引できます

単元未満株取引の詳しい仕組みは後述しているので、ぜひ確認してください。

楽天証券の「かぶミニ」でどう変わる?

楽天証券で、その時の価格を見ながら数百円台での取引ができるようになります。つまり国内株式でも少額投資が可能です。また、大手オンライン証券で唯一、国内株式を少額でデイトレードできます

SBI証券の「S株」マネックス証券の「ワン株」auカブコム証券の「プチ株®」でも1株から国内株式の取引ができるものの、注文をまとめておいて前場始値や後場始値、後場引値で執行(約定)するといった取扱いがされています。

一方で、楽天証券のかぶミニなら、株価を見ながらその時の価格で取引が可能です。

大手ネット証券との比較

楽天証券のかぶミニは、大手ネット証券で唯一リアルタイム取引が可能な点が大きな特徴です。リアルタイム取引ができる点でほかの大手ネット証券とは性質が異なるので単純に比較すべきではありませんが、それでも手数料(取引コスト)はほかの大手ネット証券と比べて有利といえます。

1株5,000円×10株楽天証券SBI証券
買付時110円相当0円
売却時11円+110円相当275円
合計231円275円
1株8,000円×1株楽天証券SBI証券
買付時18円相当0円
売却時11円+18円相当55円
合計47円55円
1株3,000円×1株楽天証券SBI証券
買付時7円相当0円
売却時11円+7円相当55円
合計25円55円
1株500円×1株楽天証券SBI証券
買付時2円相当0円
売却時11円+2円相当55円
合計15円55円

ただし、1株からでもポイント投資と積立投資に対応しているauカブコム証券と比較すると、楽天証券は単元未満株の積立投資に対応していない点で劣ります。もちろん、自動的にではなく自分で手動的に積立投資をすることは可能です。

証券会社楽天証券SBI証券マネックス証券auカブコム証券松井証券
サービス名称かぶミニS株ワン株プチ株(端数売)
取扱銘柄リアルタイム:100銘柄
寄付取引:1,000銘柄
東証銘柄:買付と売却が可能
名証・福証・札証銘柄:売却のみ
店頭銘柄一覧による東証・名証:買付と売却が可能
福証・札証:売却のみ
取引口座特定口座
NISA口座
一般口座
特定口座
NISA口座
一般口座
特定口座
NISA口座
一般口座
特定口座
NISA口座
一般口座
ポイント投資楽天ポイントPontaポイント
積立投資
当日約定リアルタイム13:30までに注文11:30までに注文10:00までに注文
取引時間リアルタイム取引:9:00~11:30、12:30~15:00
寄付取引:前場寄付
0:00~7:00は当日前場始値
7:00~10:30は当日後場始値
10:30~13:30は当日後場引値
13:30~24:00は翌営業日前場始値
※東証銘柄の場合
0:00~11:30は後場始値
11:30~17:00は注文不可
17:00~24:00は翌営業日後場始値
0:01~10:00は後場始値
10:01~23:00は翌営業日前場始値
23:01~24:00は翌営業日後場始値
リアルタイム取引
買付手数料無料
スプレッド0.22%
無料無料0.55%(税込)
※積立買付時は無料
売却手数料11円(税込)
+スプレッド0.22%
0.55%(税込)0.55%(税込)0.55%(税込)
最低手数料55円(税込)52円(税込)52円(税込)
往復取引コスト0.44%+11円(税込)0.55%(税込)0.55%(税込)1.10%(税込)
※積立買付時は0.55%(税込)

松井証券は単元未満株の売却(端数売)のみ取り扱っているため、購入はできません。端数売は、株式分割によって生じた株を売却するときに利用されます。

大手オンライン証券とは、口座開設数が多い楽天証券やSBI証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券の5社を指します。

単元未満株のリアルタイム取引ができる証券会社との比較

単元未満株のリアルタイム取引ができる証券会社と比較しても、楽天証券のかぶミニは業界最安水準の取引コストです。かなり思い切った設定だと感じています。

ただ、筆者は楽天証券がいずれ改悪しそうな雰囲気を感じています。サービス開始当初は当然ながら客集めが大事ですからね。実際、楽天証券はこれまで幾度も改悪を実施してきました。ただし、改悪するにしても突然の変更にならないようキャンペーンでフォローしたり、改悪後に新たなサービスを開始したりとフォローもされていることについて、筆者は評価しています。

リアルタイムに取引ができる銘柄が多いのはLINE証券です。あまりおすすめしませんが、LINE証券なら夜間取引もできます。

また、単元未満株の積立投資に対応しているのは「ひな株」です。ただし手数料は高めなので、筆者としては月に1回手動での積立投資をおすすめします。ひな株では1ポイント以上1ポイント単位でdポイントやPontaポイントで株が買えるので、ポイントを現金化したい人にはおすすめかもしれません

もっとも、手数料についてはルール・スペック上は楽天証券が有利であるものの、CONNECTやLINE証券はお得なキャンペーンを期間限定で実施することがあります。取引スタイルによっては楽天証券よりもおすすめできる場合があるため、CONNECTやLINE証券のキャンペーンもチェックしつつ検討してみてください。

証券会社楽天証券CONNECTLINE証券PayPay証券
サービス名称かぶミニひな株いちかぶ
取扱銘柄リアルタイム:100銘柄
寄付取引:1,000銘柄
約400銘柄
米国株あり
1,500銘柄以上約350銘柄
┗日本株が約170銘柄
米国株が約180銘柄
取引口座特定口座
NISA口座
一般口座
調査中調査中調査中
ポイント投資楽天ポイントdポイント
Pontaポイント
LINEポイント(入金)調査中
積立投資調査中調査中
当日約定リアルタイムリアルタイムリアルタイムリアルタイム
取引時間リアルタイム取引:9:00~11:30、12:30~15:00
寄付取引:前場寄付
9:00~11:30
12:30~14:55
寄付取引:後場寄付
9:00~11:20
11:30~12:20
12:30~14:50
17:00~21:00
※グループAの場合
日本株は9:00~14:59
米国株は原則24時間
リアルタイム取引
買付手数料無料
スプレッド0.22%
無料
スプレッド0.50%
無料
スプレッド0.35%
※立会時間内の場合
無料
スプレッド0.5%
※時間内の場合
売却手数料11円(税込)
+スプレッド0.22%
無料
スプレッド0.50%
無料
スプレッド0.35%
※立会時間内の場合
無料
スプレッド0.5%
※時間内の場合
最低手数料
往復取引コスト0.44%+11円(税込)1.00%0.70%1.00%

単元未満株取引サービスの仕組み

100株単位が基本なのに1株単位で取引できるのは、投資家(ユーザー)ではなく証券会社(プロ)を相手に取引をしているからです。証券会社を相手に取引する形態は、店頭取引や相対取引と呼びます。

一般的な単元株取引は取引所取引(板取引)と呼び、投資家(ユーザー)は証券会社にお願い(委託)して東京証券取引所などの取引所に100株単位で売買注文を出してもらいます。証券会社との関係は委託取引です。

証券取引所では100株単位で売買するのがルールである一方、証券会社はそれに縛られることがないので、1株単位での取引ができます

楽天証券のかぶミニのデメリット

楽天証券のかぶミニだけのデメリットではありませんが、単元未満株取引サービスは、1株単位で取引できる銘柄が限られることと、手数料が通常よりも高くなりやすいことに注意が必要です。

楽天証券のかぶミニでは、リアルタイムに取引できるのは当初100銘柄とされています。手数料は後日発表されるので、大手オンライン証券が0.55%(税込)と横並びのなか、差がつくのかどうか見どころです。

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