残価設定型クレジット(残クレ)とは?お得に利用する方法も解説

残価設定型クレジット 決済
残価設定型クレジット

残価設定型クレジットは、残クレとしてよく知られています。しかし、残クレは普通のクレジットと何が違うのか、普通のクレジットよりも残クレのほうがよいのかなど、疑問を持っている人も少なくないでしょう。

そこで本記事では、残価設定型クレジットを使うべきかどうか知りたい人に向けて、ファイナンシャルプランナーである筆者が残価設定型クレジットの概要やメリット、注意点を徹底解説します。

残クレを使いこなしてお得に商品を購入・利用したい人は、ぜひチェックしてください。

残価設定型クレジット(残クレ)とは?

主にスマートフォンや自動車を購入するときに利用できる残価設定型クレジットとは、商品代金から頭金と残価を差し引いた金額を最終回まで分割払いして、最終回に残価を商品の返却か一括払い、分割払い(再クレジット)によって支払う分割払いの仕組みです。

残価設定型クレジットは、残価の支払いを最終回まで据え置く仕組みと考えることもできます

2 分割払いの方式は、以下の各号に定めるものとします。
(1)残価設定方式
商品の残価を設定した上で、当該商品の販売価格から残価を差し引いた金額及び手数料について、最終回までの分割支払を行い、最終回に残価を支払う方式であって、当社が別に定めるもの
(2)定額方式
(1)以外のもの

引用元:KDDI「個品割賦販売契約(分割払い)にあたって」

通常のクレジットの分割支払金=(商品代金-頭金)+手数料

残価設定型クレジットの分割支払金=(商品代金-頭金-残価)+手数料

ちなみに、リースも残価設定型クレジットの要素を大いに含んでいます

ただし、リースでは所有権がリース会社にあることから、保険料や税金などの維持費を毎月の支払金額に含められる(費用平準化できる)ことが特徴です。

残価とは?

残価とは、支払いを最終回まで据え置く金額であり、最終回時点での買取保証額に相当する金額です。

詳細は後述しますが、残価が設定されることによって将来の市場価格下落リスクを転嫁できるメリットがある一方、商品の自由な使用に制限がかかる可能性があるなどのデメリットがあります。

残価設定型クレジットの最終回支払方法

残価設定型クレジットの最終回の支払方法を紹介します。残価設定型クレジットで損したくない人はぜひチェックしてください。

商品を販売店に買い取ってもらう(返却または機種変更・乗り換え)

残価は買取保証額であるため、最終回支払時に商品を販売店に買い取ってもらうことが支払方法の基本です。スマートフォンであれば機種変更、自動車であれば乗り換えができます。

残価を一括で支払う(商品を使い続けるか市場売却する)

商品を販売店に買い取ってもらわず、残価を一括で支払って商品を自分のものにすることも可能です。商品は自分のものになるので、使い続けるのもよし、中古市場で売却するのもよしとなります。

残価を再クレジットする(商品を使い続ける)

商品を使い続けたいけど残価を一括で支払うのは難しいという場合、審査によって残価を再クレジットすることも可能です。改めて審査の必要性があること、分割支払いを続けることによって手数料の負担が大きくなることに注意しなければなりません。

残価設定型クレジットのメリット

残価設定型クレジットのメリットを紹介します。少し難しいかもしれませんが、残価設定型クレジットをお得に使いこなす方法を紹介しているのでぜひチェックしてください

毎月の支払金額を抑えられる

残価設定型クレジットの最も大きなメリットといえるのが、毎月の支払金額を抑えられることです。

通常のクレジットでは、仮に自動車の代金が300万円で頭金が50万円のとき、250万円を最終回まで分割して支払います。残価設定型クレジットでは、たとえば残価が100万円に設定されると150万円を最終回まで分割して支払うので、毎月の支払金額は通常のクレジットよりも低いです(手数料は考慮していません)。

家計に余裕がない場合に嬉しいことはもちろん、将来の出費に備えやすくなり、資産運用(投資)が得意な人は支出を抑えた分だけ運用に回せるなどの効果を得られます

市場による価格変動リスクを転嫁できる

残価設定型クレジットでは、将来中古車市場で商品を売ったときの価格が想定以上に安くなってしまうかもしれないといったリスク(市場による価格変動リスク)を販売店に転嫁することが可能です。

仮に自動車の代金が300万円で残価が100万円のとき、支払いの最終回において査定価格が80万円にしかならなくても、販売店は設定された残価100万円で自動車を買い取ってくれます。もっとも、その商品の中古車市場の状況をよく知る販売店は、あらかじめ市場価格変動リスクを踏まえて残価を低めに設定しています

最終回支払時に「中古市場価格または査定額>残価」の関係にあるなら、販売店に残価を一括で支払って中古市場価格または査定額で売るほうが経済的利益は大きいです。

残価を一括で支払えることが前提ですが、クレジットカードやローンを利用してもよいでしょう。その場合には、「中古市場価格または査定額+手数料または利息>残価」の関係を満たす必要があります。ローンを利用しても、短期で一括返済する前提であれば利息は比較的少額です。

残価設定型クレジットは、毎月の支払金額を抑えられるだけでなく、将来市場価格が下がるリスクも転嫁できることがメリットです。つまり、リスクも支払負担も抑えられる支払方法です。

将来市場価格が上がっても、残価を一括で支払うことで価格上昇の恩恵は受けられます。

残価設定型クレジットの注意点

残価設定型クレジットの注意点を紹介します。

最終回の支払方法を考える必要がある

残価は支払いの据え置きであるため、必ず支払わなければなりません。返却が前提であれば大きな問題にはなりにくいものの、商品を継続して使用したい場合は残価を一括で支払うことが基本です。

余裕がない場合でも、残価をさらに分割払いする(再クレジット)選択肢があります。しかし審査があるため、審査に通るかどうかの不安が付きまとうでしょう。

残価での買い取りには条件がある

スマートフォンでも自動車でも、残価での買い取りには一定の条件があることに注意が必要です。たとえば、最終回支払時に画面が割れたスマートフォンを残価で買い取ってくれと言っても、そうおいしい話はありません。

たとえば、自動車であれば違法改造をしないこと、月間走行距離を1,000km以下に抑えること、査定減点が100点以内であることなどの条件があります。

残価設定型クレジットを利用する前に、残価保証条件をよく確認して条件を満たせるかどうか判断しましょう

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