2023年11月11日、13時23分ごろから20時52分ごろまでの約7時間30分、クレジットカード決済のシステム障害が発生しました。
障害は徐々に拡大し、18時頃から全体的に取引できない可能性があったと説明されており、13時30分ごろには決済ができた場合もあります。
現在は復旧しています。
この記事では、障害の内容と筆者の考察をまとめます。
CARDNETシステム障害の影響
新幹線のクレジットカード決済ができない、Suicaへのクレジットカードチャージができない、コンビニでクレジットカード決済ができないなどのトラブルが確認されています。
筆者も、自宅近くにあるマクドナルドを利用したとき、Oliveフレキシブルペイ ゴールドのデビットモード(Visa)で決済を試みるも、システム障害でクレジットカード決済ができないと伝えられました。
CARDNETシステム障害の原因
システム障害の原因は、JCBの子会社である日本カードネットワークが運営する「CARDNET」のセンター障害です。(CARDNET、J-Mups)
端的には、加盟店からクレジットカード会社に接続できないなどにより、カードが利用できなくなったと考えられます。
CARDNETとは
CARDNETとは、加盟店とクレジットカード会社等の取引中継を行うキャッシュレス決済ネットワークです(センターサービス)。CARDNET端末の販売・提供なども行っています(端末サービス)。
CARDNETは、お店がクレジットカード会社と繋がるためのサービスと考えておきましょう。
CARDNETのネットワーク規模
JCBや三菱UFJニコス、三井住友カード、アメックス、ジャックス、オリコ、アプラス、SMBCファイナンスサービス、ライフカード、楽天カード、セゾンカード、イオンカード、エポスカード、ビューカード、トヨタファイナンスなど、接続契約会社数は112社(2023年3月末)に及ぶネットワーク規模を誇っています。
接続センターはCARDNETオンラインセンターが718センターです。
CARDNET国内決済端末設置数のシェア
国内決済端末設置数のシェアは約50%を占めています。
障害があったときの影響は、無視できない規模となります。
CARDNETのクレジットカード決済システム障害に消費者はどう対応すべきか
多くの人が利用するクレジットカード決済ができなくなると、商品を購入したり、サービスを利用したりすることができないなど深刻な影響が出てしまいます。
Yahoo!ニュースに寄せられたコメントを見ると、やはり現金を持ち合わせたほうがよいとの意見が多くありました。
本当に現金を持ち歩くべきなのか、筆者の考察をまとめます。
筆者は電子マネーiDで対応した
筆者はマクドナルドでクレジットカード決済ができませんでしたが、どのように対応したかというと、電子マネーiDで決済しました。
電子マネーiDは、NTTドコモが各サービスと提携して運営する、Apple PayやGoogle Payなどを通じてスマホなどをかざして決済できる非接触決済サービスです。
対策としてデビットカードやブランドプリペイドカードを持ち歩こうと考えている人(一部記事)もいますが、ほとんど意味はないでしょう。デビットカードもブランドプリペイドカードも、CARDNETのようなクレジットカードと同じシステムを使って銀行などと接続しているからです。
Apple PayやGoogle Payを使ったから決済できたというわけではなさそうです。Apple Payでも、結局は端末に情報が送信され、決済ネットワークを通じてクレジットカード会社に接続しなければならないからです。あくまでも筆者の考え方であり、検証していないため真偽はわかりません。
ちなみに、日経クロステックによれば、JCBが運営する非接触決済サービスであるQUICPayも同様の障害が発生したとのことでした。
イシュアー(クレジットカード会社)の対応について
筆者が感心したのは、イシュアー(クレジットカード会社)であるイオンカードや三井住友カード、JCBカード、PayPayカードが会員(消費者)向けにお知らせを発したこと。
他にもあるかもしれませんが、E◯◯Sカードなどは、2023年11月12日11時12分時点で、トップページ及びお知らせページに同趣旨の内容はありませんでした。
本来は決済ネットワークの話であり、イシュアー(クレジットカード会社)は障害の原因に直接の関係はありません。それでも会員に影響が大きいことから、土曜日であるにもかかわらず、「お詫び申し上げます」などとしてお知らせを発することができた対応には、誠意を感じ取ることができます。
複数の決済手段を準備しておくのが無難
あえて考察するまでもなく当然の結論となってしまいますが、現金を含めて複数の決済手段を準備しておくのが無難です。
当面、現物カードのほか、Apple Payにおける国際ブランド決済、iD決済、QUICPay決済などを併用するのが安全だと考えます。
しかし、今回は決済ネットワークでの障害でしたが、店舗側の決済端末自体が故障してしまうことも実際にありえますし、筆者も経験があります。
現金持ち歩き自体、紛失・盗難などのリスクを負うことは免れません。しかし商品の購入やサービスの利用ができないくらいなら、持ち歩くリスクも受け入れざるを得ない場合があるでしょう。
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