事業所得と雑所得の区分

事業所得と雑所得の区分が難しいことから、所得税法解釈通達が改正されました。

事業所得

事業所得(所得税法第27条)とは、山林所得や譲渡所得に該当するもの、不動産貸付業を除いて政令(所得税法施行令第63条)で定める事業(対価を得て継続的に行なう事業を含む)とされています。

事業所得かどうかの判定は、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか、つまり活動の規模が事業的規模であるかどうかで判定されます。

本改正によってこの考え方が明文化されるとともに、新たな判定方法が追加されました。

社会通念による事業的規模の判定の明文化

判例をもって次の要素を総合的に勘案して判定することとされています(国税庁1)。

  • 自己の計算と危険
  • 独立して営まれ
  • 営利性、有償性
  • 反復継続して遂行する意思
  • その者の職歴・社会的地位・生活状況
  • 費やした精神的・肉体的労力の程度
  • 人的・物的設備の有無
  • その取引の目的

帳簿書類の記録と保存による判定の追加

本改正によって、記帳と保存をしている場合には、一般的に事業所得に区分される場合が多いという考え方が示されました。一方で、記帳と保存をしていない場合は一般的に事業として認め難いとされています。

事業所得と業務に係る雑所得の区分については、上記の判例に基づき、社会通念で判定することが原則ですが、その所得に係る取引を帳簿書類に記録し、かつ、記録した帳簿書類を保存している場合には、その所得を得る活動について、一般的に、営利性、継続性、企画遂行性を有し、社会通念での判定において、事業所得に区分される場合が多いと考えられます。

引用元:国税庁「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)

ただし、次の場合は事業と認められるかどうか個別に判断することとしています。裏を返せば、該当しなければ概ね事業所得と認められるのではないでしょうか。

  • 3年程度の平均的な収入金額が300万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満(収入金額が僅少と認められる場合)
  • 3年程度の平均的な収入金額が赤字で、赤字を解消するための取組を実施していない場合(営利性が認められない場合)

資産の譲渡から生ずる所得

譲渡所得の対象となる資産は、例えば次のようなものです。

  • 不動産(借地権含む)
  • 株式
  • 金地金
  • 宝石
  • 書画
  • 骨とう
  • 船舶
  • ゴルフ会員権
  • 著作権

生活に使用した衣服や雑貨、家具、家電、通勤用自動車などは非課税とされています。(国税庁12

譲渡所得の対象となる資産であっても、相当の期間にわたって継続的に譲渡している場合には事業所得または雑所得に区分されます。

また、譲渡所得の基因とならない資産として、金銭債権と外国通貨、暗号資産が挙げられています。資産の値上がり益ではなく、通貨レートの変動などと捉えられているからです(国税庁1)。

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